実現したい未来
今日、この世界で、そして私たちのすぐ足元で、グローバル化が経済、政治、文化等のあらゆる側面で進行しています。地球のどこかで起きた出来事はあっという間にわたしたちの生活に影響を及ぼすようになってきました。
わたしたち先進国をはじめとする経済至上主義が、世界の都市と農村の格差や貧富の格差を生み出しています。農村が貧困化する一方で、都市スラムには多くの貧困層が劣悪な生活環境のもとで、健康に問題を抱えながら暮らしています。地球温暖化は国や地域を問わずわたしたちの生活にとって大きな問題であり、特に途上国では温暖化によって干ばつが進み人々の生活を脅かしています。
地球規模の課題解決のために不可欠な、企業とNGO/NPOとの「連携・協働」
社会問題・課題、とりわけ国境を越えた地球規模の課題はより複雑かつ深刻化しており、NGOが単独でそれらの解決に立ち向かうことは難しい状況にあります。各国政府はもちろん、国際機関や開発援助機関、自治体や労働組合、そして企業との連携・協働は不可欠となってきています。連携・協働とは、目的を共有した両者が協力し、目的達成のために物事に取り組んでいくことを指す言葉です。企業側の創業理念やNGO側の掲げるミッションなど、相互理解を図りながら共通の目的を有することで成り立ちます。
共通の目的となるのが、「持続可能な社会に向けた、社会課題の解決」です。社会課題は、いわば社会のニーズです。企業は社会のニーズを把握し、それに応えるべく社会へ貢献してきました。貧困、環境といった地球規模の課題へと深刻化している近年では、企業もそれらに応える担い手としての役割を有していると言えます。これまで課題解決の担い手となっていたNGOは、支援対象となる地域や住民と信頼関係でつながり、培ってきた支援ノウハウを活かし活動を継続しています。一方で、活動基盤の安定や新たな展開を見出すためには、他のセクターとの連携が必要となります。その相手が企業であり、共通目的を持ち合える可能性のある存在だと考えられるからです。
持続可能な開発目標(SDGs)という共通のゴールに向かって
消費のグローバル化が進行した現在では、新興国や途上国へ進出する企業が増え、原料調達の段階から生産管理・物流・販売を行い製品やサービスが消費者の手に届くまでの全プロセスの繋がり(サプライチェーン)を重視しなくては、企業として持続可能な活動ができない状況であると言えるでしょう。
2015年の国連総会で「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」(※)を中核とする「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(※)が採択され、世界の国々は将来の世代のための環境や資源を壊さず、今の生活をよりよい状態にするべく、世界中が共通のゴールに向かって努力することを約束しました。
NGOは地球規模の社会課題解決のプロとしての専門性や情報とネットワークを、企業はビジネスで培った技術や人材と資金力を持ち寄り、それぞれの強みを活かしながら連携することで、社会課題の解決に大きく力を発揮することを期待されているのです。
名古屋NGOセンターは「NGOと企業の連携プラットフォーム」を通して、企業とNGOとの連携・協働を促進し、地球規模の課題解決のために貢献したいと考えています。
※「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」及び「持続可能な開発のための2030アジェンダ」については国際連合広報センターのサイトをご覧ください。
http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/