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協力団体

Nたまで広がった視野を活かして

Nたま15期生 山下やました達矢たつやさん

Nたまへの参加動機を教えてください。

大学のゼミでNPO論を専攻していました。その中で子どもの問題に興味を持ち、海外の子どもの問題にも関心があったのでフィリピンを中心に支援を行う認定NPO法人ICANのスタディツアーに参加しました。その時にNたまの修了生の方と偶然出会い、その人から話を聞く中でNPOの運営について学べることを知り興味を持ちました。
参加したのは大学4年時の就職活動が終わった後です。NPOや社会問題についてもっと知識を深めたいと思い参加することを決めました。

印象的だった講座はありますか。

主流秩序についての講座です。「主流秩序」とは今の社会で主流となっている価値体系で、マジョリティーの偏差値的に望ましいこと/よくないことが序列付けされたものです。そのためNPOで働く生活スタイルの価値観も主流秩序では下位の方と言えます。しかし本講義で主流秩序に囚われず、自分自身の価値観を大切にすることや多様な価値観の必要性、自分で物事を決める大切さを学び、NPO団体で働くことについて自信を持つことができました。

もともと子どもの支援に関心があったそうですね。

はい。なので、「子どもの貧困」をテーマにした自主企画は楽しみでした。企画作成のためにチームで児童養護施設やホームレス支援を行う団体、子ども食堂、児童館などの方々からお話を伺いました。その話を元にどんぐりや枯れ葉などの自然のモノを組み合わせて動物を描くワークを企画しました。実施場所は地域のこども食堂にご協力いただき、食事の後に開催させていただきました。
岐阜県高山市でのフィールドワークも勉強になりました。過疎化が進んだ地域では子どもたちが多様な人と出会う機会が減っていることを知りました。「機会の貧困」と言うそうです。地域の過疎化という問題が子どもの機会の貧困を生み出しているという“社会構造”を知り、子どもの社会問題を知るには地域の問題やもっと他の分野の問題も勉強する必要があると気づきました。

今の仕事と照らし合わせて。

困っている人を「仕事」の面でサポートしたいと思い、現在は製造工場への人材派遣を行っている会社で働いています。職務上、派遣社員と工場の間に入って労働環境などの調整役にまわることが多く両者の立場を考える必要があります。Nたまでは、社会問題の原因を考えることを何度もできたおかげで、何かトラブルが起きた時には「そもそもなぜそれが起こってしまったのか」と考え、まず根本原因から考えることを意識しています。

今後の目標はありますか。

仕事の面では工場で働く社員が困っているときに何が原因かをしっかり考えてよりよいサポートができたらいいですね。子どもの社会問題の背景には地域の問題をはじめほかにも様々な分野の社会問題が関係していると思います。なので、今後は社会福祉についてもっと体系的に勉強していけたらと考えています。

山下達矢さん 活動写真

Nたま研修で発表する山下さん