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【2014年7月号】おススメの本・DVDなど

当センター会報『さんぐりあ』より、編集委員がオススメする
「NANGOC RECOMMENS(なんごっく りこめんず)」の中から、
本・DVDを抜粋して、ご紹介します。  

*リンク先をクリックして該当商品をご購入頂きますと、金額に応じた
ポイントが名古屋NGOセンターに還元され、中部地域のNGOの活動に役立てられます。
また、別の商品をご購入される際は、当センタートップ画面(http://www.nangoc.org/
より楽天またはヤフーをクリック頂いた後にご購入いただけますと、
ポイントが還元されます。(リンク先の変更等が生じることもございますので、
商品ご購入の際は今一度、商品内容のご確認をお願いいたします)

●会報2014年7月号より抜粋

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丹羽輝明のオススメ

『アイヌ神謡集』   

●著者:知里幸恵
●価格:583円+税
●岩波文庫 1923年刊

 先日、北海道に旅行した際、白老郡白老町にあるアイヌ民族博物館に立ち寄ってみた。
 いまも2〜3万人のアイヌが北海道に住んでいることを知って、アイヌに興味を持ち始めた。
 アイヌの人は動物に神が宿ると考え、神が語る言葉として動物と自然とのかかわりや、
動物の人間との交流を民話として伝えていった。
 節をつけて歌っていたことから神謡(カムイユーカラ)という。
 作者の知里幸恵は登別市出身。
 豊かな北海道の大地が明治以降急速に開発して近代化されて、アイヌの文化が
失われることに危機感を感じて、多くの神謡からフクロウ、キツネ、ウサギなどが
主人公の神謡13編を1冊の本にまとめた。
 彼女は19歳で他界したが、アイヌ神謡集はその後のアイヌの伝統文化の復権や
保全に大きな役割を果たした。アイヌは文字を持つことがなかった。
 そのため本の見開いた左側のページにローマ字表記したアイヌ語が書かれ、
右側のページに対訳が日本語で書かれている。
 和人(日本人)と全く異なった自然観を感じてほしい。
 YouTubeでアイヌの方が朗読している音源を聴くことができる。

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水谷洋子のオススメ

『Y’s Cafe のレシピ』

●編集:下方夕子(名古屋YWCA)
●350円(税込)
●名古屋YWCA広報委員会
●2014年4月発行

 いつからかY(名古屋YWCA)の2階のカフェがなくなっていた。
 あら、もうやっていないんだと思ったのはいつだろう。
 手づくりにこだわった美味しいランチは多くの人たちに愛されていた。
 しょっちゅう行っていた訳ではないけれど、なんだかとても残念だった。 
 そんな風に思った人たちが多かったのかもしれない。
 あのY’s Cafeのレシピ本ができたという。
 手に取ってページを開くと、あの頃のカレーの香りが漂ってくるよう。
 早速台所に立って、”チキンのっけカレー”に挑戦。
 香ばしい焼チキンの下のカレーには、いったい何種類の野菜が
 形をなくして隠されていたかご存知でした?
 これは野菜の無形文化財や〜、手間暇かかっとります。
 他にも豆カレーやスパイスから作るキーマカレーなど本格的で、
 当時のカフェスタッフのこだわりが伝わってくる。
 Y’s Cafeを懐かしむ人も、未経験の人も楽しめるレシピ本です。

*購入は名古屋YWCAまで
(名古屋NGOセンターの入居しているビルの2Fです)
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野澤正明のオススメ

『ココシリ』(原題:可可西里)
 監督:陸川(ルー・チューアン)

●製作国:中国/香港
●製作年度:2004年
●上映時間:88分
●参考価格:4,104円

“ココシリ”とはチベットの言葉で”美しい山、美しい少女”という意味。
山岳警備隊の自然環境に対しての深い愛情が感じられる作品。
 この作品はチベットカモシカの密猟者を追う山岳警備隊の実話を元にしている。
山岳警備隊は実は全員ボランティアで行われているが、環境保護ボランティア
と言うには躊躇するぐらい一切の甘さがない。
 密猟者は、自然破壊により牧草が無くなり、放牧ができなくなった為に
密猟をしている。
 山岳警備隊は密猟者を取り締まるため追跡するが、密猟者も生活が
かかっているため、必死に抵抗する。
 さらに、密猟者との戦いだけでなく厳しい自然が山岳警備隊を苦しませる。
流砂の恐ろしさが克明に描かれており、流砂に飲まれて死を覚悟する場面は、
目に焼き付き衝撃的であった。
 なぜ命をかけてまで密猟者を追うのか?
 そこに、畏敬する自然への深い信仰と、現代人が持ち得ない誇り高い
意志を垣間見た。