香港への「国家安全法」導入の動きを憂慮する声明を、NANCiSが発表
名古屋NGOセンターが構成団体となっているNANCiS(市民社会スペースNGOアクションネットワーク)
は、5/28に中国全人代が、港に中国政府が直接、国家安全法を適用したり、治安機関を設立できる方針案を
採択したことに対し、以下の声明を発出しました。
※以下、声明全文となります。
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「香港への「国家安全法」導入の動きを憂慮する(声明)」
2020年6月1日
市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)
中華人民共和国(以下、中国)全国人民代表大会は、第13期第3回大会の最終日である5月28日(木)、中国政府が直接、香港への国家安全法の導入を可能にする法制度の整備や、中央政府直結の治安機関の設立を行えるとする決定案を採択しました。この内容が実現されれば、中国が香港返還(1997年)の際、中英共同宣言などで国際的に約束した「一国二制度」や「高度な自治」が無力化され、中国政府も同意してきた国際的な人権規範にも則った、香港の人々の言論・集会・結社などの自由・権利が抑圧され、市民社会の自由な言論、表現、活動のための社会空間である「市民社会スペース」が脅かされる恐れがあります。
市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)は、こうした決定が行われたことを深く憂慮し、中国政府および香港特別行政区政府に対し、香港への国家安全法導入や治安機関設立の動きを撤回するよう、強く求めます。
香港では依然として、自由や権利のために活動する人々への厳しい弾圧が続いています。NANCiSは昨年12月の声明(*1)と同様に、香港特別行政区政府、香港警察、中国政府に対し、以下のことを求めます。
・香港特別行政区政府および香港警察は、香港の人々が安心して政治的な発言や活動を行えるよう、市民社会スペースの安全を確保し、人々が香港の未来に抱く憂慮の声に真摯に耳を傾け、人々との平和的で民主的な対話の実現に向けて尽力すること。
・中国政府は、香港の人々が積み重ねてきた民主的な政治制度・文化を最大限尊重し、今回の事態においても香港の人々の問題解決能力を信頼し、香港の自治に介入することは厳に慎むこと。
NANCiSは引き続き、香港の人々や世界の市民社会と連帯し、香港情勢を注視しつつ必要な発言・行動を行なっていきます。
*詳細は以下のNANCiSサイトをご覧ください。