【2014年4月号】おススメの本・DVDなど
【2014年4月号】おススメの本・DVDなど
当センター会報『さんぐりあ』より、編集委員がオススメする「NANGOC RECOMMENS(なんごっく りこめんず)」の中から、 本・DVDを抜粋して、ご紹介します。
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(リンク先の変更等が生じることもございますので、商品ご購入の際は今一度、商品内容のご確認をお願いいたします)
●会報2014年4月号より抜粋
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水谷洋子のオススメ
『農業を買い支える仕組み』
●著者:辻村英之
●2013年発行、太田出版
●価格:2,000円(税別)
読み終わって表紙をしみじみ眺めたら、敷き詰められたお米の上にコーヒー豆でFair Tradeと書かれているのに気がついた。
コーヒーのフェア・トレードを国内のお米の産消提携活動に結びつけ、生産者と消費者のあり方、可能性について提起されており、農業の未来に希望を感じ取ることが出来た。タンザニア・キリマンジャロのルカニ村や、京都の綾部市などでの、丁寧なフィールドワークから得られたデータや情報は明解な図となって分析されている。
研究論文調ではあり、最初は少しつらいが読み進むと、消費者と生産者の支え合う関係やそこに至る努力に心打たれ、胸が熱くなる。モノの安さの中に潜んでいる仕組みにうすうす気づいていても、安いものに手がのびる私たち。ある経済学者の言葉、「合理的な愚か者」が耳に残る。
フェア・トレードを知りたい人ばかりでなく、消費者である私たちが「気づく」一冊。
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野澤正明のオススメ
『わが盲想』
●著者:モハメド・オマル・アブディン
●2013年発行、ポプラ社
●定価:1,400円(税別)
“盲人であるぼくの「盲想」がつくりあげた日本像と、実世界の日本を比べつつ、楽しんでいただければうれしいです。(” 本書冒頭部分より)
2013年度ステファニ・レナト賞の授賞式の際、「スーダン障害者教育支援の会」の前代表としてスピーチされたのが、この本の著者モハメド・オマル・アブディン氏である。受賞スピーチは立派で真面目な内容であったが、本書は固い内容ではなく、オヤジギャグ連発のゆるい内容である。盲人でかつスーダンから突如やってきた著者、日本語は全くわからない。
そんな条件での日本生活は前途多難が予想されたが、時にはエロい事を考えたり、あまりの寿司の美味さに感動したりと、著者に全く悲壮感はない。
終盤では、相手と一切会わずに電話のみで即決するスピード婚ならぬスピード違反婚をし、電話の後”ヤッベー、結婚してしまった”と著者自身が信憑性を疑ってしまうところが、読んでいてとても面白い。スーダン人だけど微妙に日本人臭い盲人アブディンの日常に惹きこまれてしまう楽しい一冊である。
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